2013年5月 1日(水)

ジェフ・クーンズ《聖なるハート》
1分でわかる「LOVE展」~アーティスト&作品紹介(1)

4/26(金)から開幕した、六本木ヒルズ・森美術館10周年記念展「LOVE展:アートにみる愛のかたち」。本展は「愛」をテーマに、美術史を彩る名作や意欲的な新作を含む約200点を展示しています。
本連載では、全16回にわたって、出展作品とアーティストの一部をご紹介していきます!
第1回は、展覧会公式サイトやポスターのメインを飾っている、ジェフ・クーンズの《聖なるハート》です。


ジェフ・クーンズ
《聖なるハート》
1994-2007年
透過性カラーコーティング、高クロムステンレス鋼
364×213×122cm
ピンチュック・アートセンター蔵、キエフ
©Jeff Koons
撮影:木奥恵三

1955年アメリカ生まれのジェフ・クーンズは、先達であるマルセル・デュシャンやアンディ・ウォーホルに影響を受け、日用品をアートへと転化させる手法で成功したアーティストです。また、現在最も高額で作品が取引されるアーティストのひとりでもあります。バルーン製のおもちゃを巨大化した作品、マイケル・ジャクソンと彼のペットであるチンパンジーのバブルスを陶芸に置き換えた作品、植物で覆われた13メートルもある犬型の野外彫刻、自分と当時の妻であったチチョリーナとの合作「メイド・イン・ヘヴン」シリーズなどで話題を呼び、賛否両論の議論を巻き起こしてきました。

本展の出品作である《聖なるハート》(1994-2007)は、祝日や誕生日といった商業的イベントで使われる、安価で大衆的な商品を絵画化、彫刻化した「セレブレーション」シリーズのひとつ。バレンタインのチョコレートから想を得た本作は、金色のセロファンで包まれたチョコレートを2トンほどもある磨き上げられたステンレス鋼に変化させ、極端に巨大化することで、視覚的インパクトを狙っています。
 

<関連リンク>

六本木ヒルズ・森美術館10周年記念展
「LOVE展:アートにみる愛のかたち-シャガールから草間彌生、初音ミクまで」

2013年4月26日(金)-9月1日(日)

・1分でわかる「LOVE展」~アーティスト&作品紹介
(1)ジェフ・クーンズ《聖なるハート》
(2)ゴウハル・ダシュティ「今日の生活と戦争」シリーズ
(3)ナン・ゴールディン「性的依存のバラッド」シリーズ
(4)ジョン・エヴァレット・ミレイ《声を聞かせて!》
(5)フリーダ・カーロ《私の祖父母、両親そして私(家系図)》
(6)ジャン・シャオガン《血縁:大家族》
(7)草間彌生《愛が呼んでいる》
(8)シルパ・グプタ《わたしもあなたの空の下に生きている》
(9)初音ミク《初音ミク:繋がる愛》
(10)アルフレド・ジャー《抱擁》
(11)ロバート・インディアナ《ラブ》 & ギムホンソック《ラブ》
(12)ソフィ・カル《どうか元気で》
(13)シャガール、マグリッド、フランシス・ピカビアらが描いた恋人たち
(14)トレイシー・エミン《あなたを愛すると誓うわ》
(15)デヴィッド・ホックニー《両親》
(16)デミアン・ハースト《無題》

カテゴリー:01.MAMオピニオン
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