2013年5月15日(水)

ナン・ゴールディン「性的依存のバラッド」シリーズ
1分でわかる「LOVE展」~アーティスト&作品紹介(3)

好評開催中の六本木ヒルズ・森美術館10周年記念展「LOVE展:アートにみる愛のかたち」。「愛」をテーマにした作品が約200点集結した見どころたっぷりの本展から、何人かのアーティストと作品をご紹介いたします。
第3回は、身近なものを被写体に据え、プライベートな日常風景を切り取るスタイルで、後続の写真家たちに大きな影響を与えたアメリカのアーティスト、ナン・ゴールディンです。

ナン・ゴールディンは、15歳のときにアメリカ・マサチューセッツ州リンカーンのサティヤ・コミュニティスクールでカメラの手ほどきを受けました。

本展出品作の「性的依存のバラッド」シリーズ(1978-86)は、ゴールディンが18歳の頃から撮りためた約800枚のカラー写真から18点を選んで構成したものです。このシリーズでは、友人や恋人、自分自身の日常を主題に、ゲイ、トランスセクシャル、麻薬、エイズ、ドメスティック・ヴァイオレンスなど、もたれ合い傷つけ合いながら生きる人々の様が赤裸々に写し取られています。孤独感とやりきれなさが漂う日常の風景は、混沌とした時代を映すとともに、愛や死にまつわる生々しい物語を喚起します。
※本作は「セクション2:恋するふたり」にて展示中です。ぜひ会場にてご覧ください。  

<関連リンク>

六本木ヒルズ・森美術館10周年記念展
「LOVE展:アートにみる愛のかたち-シャガールから草間彌生、初音ミクまで」

2013年4月26日(金)-9月1日(日)

・1分でわかる「LOVE展」~アーティスト&作品紹介
(1)ジェフ・クーンズ《聖なるハート》
(2)ゴウハル・ダシュティ「今日の生活と戦争」シリーズ
(3)ナン・ゴールディン「性的依存のバラッド」シリーズ
(4)ジョン・エヴァレット・ミレイ《声を聞かせて!》
(5)フリーダ・カーロ《私の祖父母、両親そして私(家系図)》
(6)ジャン・シャオガン《血縁:大家族》
(7)草間彌生《愛が呼んでいる》
(8)シルパ・グプタ《わたしもあなたの空の下に生きている》
(9)初音ミク《初音ミク:繋がる愛》
(10)アルフレド・ジャー《抱擁》
(11)ロバート・インディアナ《ラブ》 & ギムホンソック《ラブ》
(12)ソフィ・カル《どうか元気で》
(13)シャガール、マグリッド、フランシス・ピカビアらが描いた恋人たち
(14)トレイシー・エミン《あなたを愛すると誓うわ》
(15)デヴィッド・ホックニー《両親》
(16)デミアン・ハースト《無題》

カテゴリー:01.MAMオピニオン
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