2016年11月30日(水)

森美術館 2017年度企画展スケジュールのご案内を発表!

2017年度、森美術館は2つの企画展を開催します。ASEAN(東南アジア諸国連合)設立50周年を迎える夏、国内では過去最大の東南アジア現代美術展を、国立新美術館、国際交流基金アジアセンターと共催します。続いて秋には、日本でも高い人気を誇るアルゼンチン出身の国際的なアーティスト、レアンドロ・エルリッヒの大規模個展を開催、その活動の全容に迫ります。ご期待ください。

■2017年度企画展スケジュール

「サンシャワー:東南アジアの現代美術展 1980年代から現在まで」
会期:2017年7月5日(水)-10月23日(月)

会場: 国立新美術館 企画展示室2E
森美術館

主催:国立新美術館、森美術館、国際交流基金アジアセンター


ジョンペット・クスウィダナント
《言葉と動きの可能性》
2013年
原動機のないモーターバイク、布旗
サイズ可変
所蔵:森美術館

人口約6億人。経済発展目覚ましい東南アジア地域の現代アートには、世界中から大きな注目が集まっています。国立新美術館、森美術館、国際交流基金アジアセンターは、ASEAN(東南アジア諸国連合)設立50周年にあたる2017年、国内過去最大規模の東南アジア現代美術展、「サンシャワー:東南アジアの現代美術展1980年代から現在まで」を開催します。
「サンシャワー(天気雨)」は、晴れていながら雨が降る不思議な気象で、熱帯気候の東南アジア地域では頻繁にみられます。また、植民地主義以降20世紀後半、冷戦下の戦争、独裁政権を経て近代化や民主化を迎え、近年では経済発展や投資、都市開発が進むなど、さまざまな政治的、社会的、経済的変化を遂げてきたこの地域の紆余曲折とその解釈の両義性に対する、詩的なメタファーでもあります。
多民族、多言語、多宗教の東南アジア地域では、じつにダイナミックで多様な文化が育まれてきました。本展では、自由の希求、アイデンティティ、成長とその影、コミュニティ、信仰と伝統、歴史の再訪など、東南アジアにおける1980年代以降の現代アートの発展を複数の異なる視点から掘り下げ、国際的な現代アートの動向とも照らし合わせながら、そのダイナミズムと多様性を紹介します。

* 2016年11月現在、インドネシア、カンボジア、シンガポール、タイ、フィリピン、ブルネイ、ベトナム、マレーシア、ミャンマー、ラオスの10カ国が加盟


コラクリット・アルナーノンチャイ
《おかしな名前の人たちが集まった部屋の中で歴史で絵画を描く3》
2015年
ビデオ
24分55秒
Courtesy: Carlos/Ishikawa London; Clearing Brussels/New York


ヘリ・ドノ
《政治指導者へのショックセラピー》
2004年
木製椅子、ファイバーグラス、真鍮(ボナン)、段ボール製操り人形、竹、電子
機械照明装置
145×407×32.5cm
撮影:Olivia Kwok
Courtesy: Mizuma Gallery

「レアンドロ・エルリッヒ展(仮題)」
会期:2017年11月18日(土)-2018年4月1日(日)
会場:森美術館
主催:森美術館
後援:アルゼンチン共和国大使館

レアンドロ・エルリッヒは、アルゼンチン出身の国際的に活躍する現代美術作家です。建築的なインスタレーションの空間に鑑賞者が入り、自らが作品の一部となって鑑賞を楽しむ作風で知られています。日本では、金沢21世紀美術館の中庭に恒久設置された《スイミング・プール》や、越後妻有アートトリエンナーレ2006で展示した「建物」シリーズで、老若男女問わず親しまれています。
《スイミング・プール》では、地上と地下を隔てる水面を通して、地上からは水中で動き回る人々が眺められ、地下からは水中から地上を仰ぎ見るような体験ができます。また、「建物」シリーズは、鏡の効果を利用し、人々が建物の壁面にぶら下がっているような光景を作りだします。エルリッヒは、このように視覚を中心に身体感覚に訴えるトリックを用い、私たちが普段、当然だとして疑いもせず認識している現実の隙間に入り込み、驚きの体験を与えてくれます。自身が自作について「日常に潜む窓として、新しい世界に目を向けさせ、現実の構造や成り立ちについて考察を促す」と語るように、観客はそのトリックの面白さを発見すると同時に、体験を通して、知っているつもりの現実も視点を変えると全く異なる世界が見えてくることに気付かされるのです。
本展は東京における初の大規模個展として、エルリッヒの24年にわたる活動の全容に迫ります。


レアンドロ・エルリッヒ
《スイミング・プール》
2004年
コンクリート、ガラス、水
280×402×697cm
撮影:Ryo Suzuki
所蔵:金沢21世紀美術館


レアンドロ・エルリッヒ
《妻有の家》
2006年
写真、照明、金属、木材、鏡
800×600×1,200cm
展示風景:大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2006、
新潟
2006年

レアンドロ・エルリッヒ
1973年、アルゼンチン、ブエノスアイレス生まれ。現在はブエノスアイレスとウルグアイ、モンテビデオを拠点に活動。ホイットニー・ビエンナーレ2000(ニューヨーク、2000年)をはじめ、第26回サンパウロ・ビエンナーレ(ブラジル、2004年)、リバプール・ビエンナーレ2008(イギリス、2008年)といった多くの国際展に参加、また、ポンピドゥー・センターで開催された「パリ・デリー・ボンベイ展」(フランス、2011年)にも出展。主な個展に、ローマ現代美術館(イタリア、2006年)、MoMA PS1(ニューヨーク、2008年)など。国内では、大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ(新潟、2006年、2012年)、瀬戸内国際芸術祭2010(香川、2010年)などに参加し、2014年には金沢21世紀美術館にて日本初の個展を開催。


 

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