N・S・ハルシャの絵画を楽しむポイント

「チャーミング」で多彩なキャラクター

作品に登場するのは、老若男女、映画のヒーローから現代アートスター、インドの神々や動物まで多種多様。描かれた個性溢れるキャラクターの数は、《ここに演説をしに来て》(2008年)だけでも約2000。何度見ても新しい発見があり、1日中鑑賞していても、見飽きることがありません。

《ここに演説をしに来て》(部分)
2008年
アクリル、キャンバス
182.9×182.9cm(×6)

《人間的な未来》(部分)
2011年
アクリル、キャンバス
76×107cm
個人蔵

物語を読み解くヒント

望遠鏡と顕微鏡

絵の中に描かれた望遠鏡は、世界を俯瞰する「マクロな視点」、顕微鏡は日常の細部を見つめる「ミクロな視点」のメタファーです。全体を俯瞰したり、細部に寄ったり、両方の視点で作品を鑑賞すると、作家の世界観を理解できるでしょう。

《探し求める者たちの楽園》(部分)
2013年
アクリル、キャンバス
190×150cm
個人蔵

宇宙

N・S・ハルシャの絵画には、「地球」や「銀河」など、宇宙に関連したモチーフが多数登場します。マイスールの日常を丁寧に見つめながらも、作家の関心は常に世界、そして宇宙にまで拡がっていることを物語っています。

《この世でモー》(部分)
2014年
アクリル、キャンバス
190×150cm
所蔵:有沢敬太

動物

生き生きと描かれた動物にも、それらにまつわる神話や逸話、意味が込められています。例えばなぜ猿は、空を指差しているのでしょう?その答えを考えることで、N・S・ハルシャの思想やその背景にある文化に触れることができるでしょう。

《道を示してくれる人たちはいた、いまもいる、この先もいるだろう》(部分)
2014年
アクリル、キャンバス
190×150cm
Courtesy: Victoria Miro, London