2013年7月12日(金)

SALE×ART プロジェクト:
写真家・浅田政志がセールビジュアルを撮影!

7月1日(月)から15日(月・祝)まで六本木ヒルズで開催されている夏のセール。「アートのある日常」をコンセプトに、これまでにもセール広告に気鋭のアーティストを起用してきた六本木ヒルズですが、今年の夏は「LOVE展:アートにみる愛のかたち」に出展中の人気写真家・浅田政志さんとのコラボレーションが実現しました。


今回の作品では、「セール前日の夜中に六本木ヒルズを覗いてみたら、スタッフたちが、一生懸命セールの準備をしていた」という場面を表現。
浅田さんの強い希望により、実際に六本木ヒルズで働くスタッフたちが被写体となって撮り下ろした渾身の作品です。

ポスターを貼る人、大きな紙袋を運ぶ人など、浅田さんによる徹底的なディレクションのもと、参加者全員が架空のシチュエーションを体当たりで演じています。
スタッフの表情からは、まるで前夜祭のような高揚感が伝わってきませんか。

写っている人たちは合成? それとも...? いったいどのように撮影されたのでしょうか。撮影現場の様子をご紹介します。

撮影がスタートしたのは23時30分。仕事を終えたスタッフが、六本木ヒルズのウェストウォークに集合しました。

まずは浅田さんから今回の作品についてのレクチャーを受けます。
浅田さんの熱意が、次第にみんなの心をひとつにまとめていきます。


今回の作品は合成でなく、すべて実際に物や人物を配置して1カットで撮影しています。いい作品に仕上げるためには、参加者全員の息がぴったり合うことが重要です。


真剣に浅田さんの話を聞く参加スタッフの皆さん。
元気もやる気もみなぎり、1日の仕事を終えた後とはとても思えません!


それぞれの立ち位置はくじ引きで決めることに。
自分はどの場所で写るのか、ドキドキの瞬間です。


巨大なセールの紙袋、写真の中では楽々と持っているように見えますが、
実は意外と重いので、2人で力を合わせて持ち上げています。


こちらはウェスト・ウォーク6階からの眺め。大きな紙袋を落とさないように、でも「SALE」の文字が下のカメラに見えるように傾けて、さらになるべく平行に!との難しい指示が。皆、真剣です。


参加したスタッフの制服は、すべて実際に仕事で着用しているもの。
コック帽を被っているのはシェフ、赤いペンキを塗っているのは、設備スタッフです。写真の中の人物が、実際に働いている姿を、六本木ヒルズで見かけることができるかもしれません。


セールのイメージに合わせて小道具は赤一色。靴や鳥もみんな赤に統一されていることに、気が付きましたか。


浅田さんは、なぜマイクを持っているのでしょうか。
それはカメラの前で皆に指示を出して、息の合ったポーズと笑顔を撮るためです。こんな複雑な構図で、すべてにフォーカスが合っていて、しかも参加者全員がとびきりの笑顔の1枚を撮れるなんて、さすが浅田さん!


全員でのカットの後は、大江戸線「六本木駅」のエスカレーター用の作品を撮影。
参加チームごとに、セール用のポスターを貼るポーズを考えてそれぞれの個性を表現しています。


実際に貼り出された広告はこちら。


日比谷線「六本木駅」のコンコースには、横幅7メートルの広告が登場。


最後に参加者全員の記念写真を浅田さんに撮影していただきました。
徹夜明けとは思えない、笑顔いっぱいの写真。
すべての撮影が終わったのは、朝5時近く。
気が付くと気持ちのいい朝日が六本木ヒルズを照らしていました。

広告の大きさに耐えうるようにと、今回の撮影のために浅田さんが使ったカメラは なんと8000万画素! 浅田さんの気合いと、六本木ヒルズで働くスタッフの想いが詰まったセールのビジュアル。広告が見られるのは、7月15日(月・祝)までです。
森美術館の「LOVE展」と合わせて、夏のお買い物に六本木ヒルズへぜひいらしてください!


浅田政志
《浅田家 「ラーメン屋」》
2005年
タイプCプリント
95×120cm

文:戸澤麗美(森美術館マーケティンググループ プロモーション担当)
 

<関連リンク>

六本木ヒルズ・森美術館10周年記念展
「LOVE展:アートにみる愛のかたち-シャガールから草間彌生、初音ミクまで」

2013年4月26日(金)-9月1日(日)

六本木ヒルズ

カテゴリー:03.活動レポート
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