フォロー・ミー

作家名 : ワン・チンソン(王慶松)/Wang Qingsong(1966-)
出身/在住 : 中国
制作年 : 2003
素材:Cプリント
サイズ:60×150 cm

ワン・チンソンは1991年に四川美術学院の絵画科を卒業後、北京に移住し、現在も同地で活動する。1990年代に制作を始めた写真を主要な表現手段とする。彼の大判カラー写真は西洋が中国に与える影響や中国の急速な近代化を表現したものである。消費主義、地方から都市部への人口流入や中産階級の台頭、世界とのコミュニケーションの増加など中国社会の急速な変化が皮肉やユーモアを交えて描かれる。作品では多数の俳優が配され、小物を用いて演出がなされ、また、中国と西洋の伝統的な美術史への言及やパロディが用いられることもしばしばある。2000年代初頭から国外でも活躍を始め、国際写真センター(ニューヨーク、2011)やサンディエゴ美術館(米国、2022)など世界各地で個展を行う。シドニー・ビエンナーレ(2010)、ベネチア・ビエンナーレ(2013)など国際展にも度々参加している。

本作は大型の写真作品で、中央には作家本人が教師役で登場する。指示棒で差し示された背後の黒板は教師の体と比較し極端に大きいが、そこには中国語と英語による無数の言葉がチョークで記されている。タイトル「フォロー・ミー」は中国で1982年に放映が開始された英語教育のテレビ番組で、英語を学ぶだけでなく、西洋社会を垣間見ることができるという人気番組だった。黒板には、ナイキ、マクドナルド、メルセデス・ベンツといった欧米企業のロゴも描かれ、教壇の上にはコカ・コーラのボトルも置かれるなど、中国社会の急速な欧米化を読み取ることができる。本作は連続講座の第8回目という設定になっているが、「Let China walks towards the world! Let the world learns about China!」(中国を世界に向けて歩ませよ! 世界に中国を知らしめよ!)というスローガンが目を引く。2008年の北京オリンピック・パラリンピック開催が決定した翌年に制作され、また当時中国現代美術が世界各地で注目を集めた時期であったことなども背景に、国際社会での中国の躍進を、ポップかつ風刺的に表現しているのである。

フォロー・ミー

作家名 : ワン・チンソン(王慶松)/Wang Qingsong(1966-)
出身/在住 : 中国
制作年 : 2003
素材:Cプリント
サイズ:60×150 cm

ワン・チンソンは1991年に四川美術学院の絵画科を卒業後、北京に移住し、現在も同地で活動する。1990年代に制作を始めた写真を主要な表現手段とする。彼の大判カラー写真は西洋が中国に与える影響や中国の急速な近代化を表現したものである。消費主義、地方から都市部への人口流入や中産階級の台頭、世界とのコミュニケーションの増加など中国社会の急速な変化が皮肉やユーモアを交えて描かれる。作品では多数の俳優が配され、小物を用いて演出がなされ、また、中国と西洋の伝統的な美術史への言及やパロディが用いられることもしばしばある。2000年代初頭から国外でも活躍を始め、国際写真センター(ニューヨーク、2011)やサンディエゴ美術館(米国、2022)など世界各地で個展を行う。シドニー・ビエンナーレ(2010)、ベネチア・ビエンナーレ(2013)など国際展にも度々参加している。

本作は大型の写真作品で、中央には作家本人が教師役で登場する。指示棒で差し示された背後の黒板は教師の体と比較し極端に大きいが、そこには中国語と英語による無数の言葉がチョークで記されている。タイトル「フォロー・ミー」は中国で1982年に放映が開始された英語教育のテレビ番組で、英語を学ぶだけでなく、西洋社会を垣間見ることができるという人気番組だった。黒板には、ナイキ、マクドナルド、メルセデス・ベンツといった欧米企業のロゴも描かれ、教壇の上にはコカ・コーラのボトルも置かれるなど、中国社会の急速な欧米化を読み取ることができる。本作は連続講座の第8回目という設定になっているが、「Let China walks towards the world! Let the world learns about China!」(中国を世界に向けて歩ませよ! 世界に中国を知らしめよ!)というスローガンが目を引く。2008年の北京オリンピック・パラリンピック開催が決定した翌年に制作され、また当時中国現代美術が世界各地で注目を集めた時期であったことなども背景に、国際社会での中国の躍進を、ポップかつ風刺的に表現しているのである。

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