2016年11月 9日(水)

「宇宙と芸術展」六本木アートナイトの夜はトム・サックスが森美術館を占拠!?
「アーティストトーク&スクリーニング」と緊急サイン会レポート

2016年10月21日(金)~23日(日)に、六本木地区では毎年恒例のイベント、「六本木アートナイト2016」が開催されました。
期間中、森美術館では開館延長を行い、10月21日の夜には、「宇宙と芸術展」のポスターやチラシなどでおなじみの《ザ・クローラー》を制作したトム・サックスによる「アーティストトーク&スクリーニング」と緊急サイン会を行いました。


トム・サックス

トム・サックス(1966年ニューヨーク生まれ)は、20世紀のポピュラー・カルチャーや科学技術革新のアイコンにユーモアと皮肉を交え、新しい解釈を施した作品を発表してきました。手に入りやすい寄せ集めの素材を用いて自ら制作するブリコラージュの作品は、多くの人の注目を集めています。
テーマは大がかりな宇宙計画など歴史的に重要な出来事から、マクドナルドやハローキティといった消費文化の象徴まで多岐にわたり、本展の出展作《ザ・クローラー》(2003年)はスペースシャトル「チャレンジャー号」を模したものです。
アーティストトークでは、自身が子供時代に興味を持って制作していた作品に始まり、これまでの制作活動を振り返りながら紹介しました。トーク後に上映された長編映像作品《A Space Program (ア・スペース・プログラム)》(2014年)は、手作りの火星旅行がテーマです。女性初の火星着陸に成功する物語が展開する背景のセットや小道具はすべてが手作り。まるで、スタジオで制作現場を見ているような感覚が味わえました。トム・サックス自身が出演するシーンもあり、そのユーモア溢れる発想に、会場は温かい笑いに包まれました。トークでは、「将来、宇宙へ行ってみたいですか?」という会場からの質問に、「いいえ、わたしは行きたくありません。知れば知るほど、どんなに地球が人間にとって理想的な場所か、ということを常に感じているので...」と答え、「わたしは制作を通して、我々が住む地球にある限りある資源や素材について探求しているのです」とした言葉には、宇宙開発がもたらす夢や幸福への期待と共に、生身の人間が作ることのできる幸せを見つめようとする姿が感じられました。


会場の様子
遅い時間にも関わらず、たくさんの方が参加しました

この度の来日では、「Innovative City Forum」Day1に登壇したほか、草月会館での個展(※)も実現しました。これは、ニューヨークのノグチ美術館(The Noguchi Museum)で「茶道」を再解釈してみせた個展「Tom Sachs: Tea Ceremony(トム・サックス:茶会)」(2016年3月23日-7月24日)の一部を展示したものです。

スクリーニングの終了後、「宇宙と芸術展」特設ショップでカタログを購入していただいたお客さまを対象にした、サイン会を行いました。温かみと味のある彼の文字は、それだけで作品になりそうです。


サイン会の様子


《ザ・クローラー》が表紙のカタログは
特設ショップで発売中!
3,000円(税込)

その他にも、ショップではトム・サックスの作品をモチーフとしたさまざまなグッズもご用意しています。


トム・サックス《A Space Program (ア・スペース・プログラム)》(2014年)DVD&Zine(日本語字幕版)
5,400円(税込)


トム・サックス ジャパンデッキ(トランプ)
2,916円(税込)


トム・サックス 《A Space Program (ア・スペース・プログラム)》ポスター
4,104円(税込)


トム・サックス エウロパ・ミッション・ワッペン
1,620円(税込)

いずれも他ではなかなか手に入らないグッズです。ぜひこの機会にお買い求めください。


左から:南條史生(森美術館館長、六本木アートナイト実行委員長)、トム・サックス、椿玲子(森美術館アソシエイト・キュレーター)

※特別展示:トム・サックス「Heaven」(2016年10月17日―10月29日、草月会館1階イサム・ノグチ石庭「天国」)

撮影(グッズ以外):御厨慎一郎
 

<関連リンク>

宇宙と芸術展:かぐや姫、ダ・ヴィンチ、チームラボ
会期:2016年7月30日(土)-2017年1月9日(月)
「実はわたしたちは宇宙の中にいる」
――ビョーン・ダーレム
宇宙と芸術展 アーティストトーク レポート

「宇宙の入り口」へようこそ!
~「宇宙と芸術展」作品紹介(7)トム・サックス

カテゴリー:03.活動レポート
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