Glitter Pieces #15、Glitter Pieces #16

作家名 : 青山 悟/Aoyama Satoru(1973-)
出身/在住 : 日本
制作年 : 2009
素材:メタリック糸と黒糸の刺繍、ポリエステル
サイズ:26.9×30.8 cm(各、2点組)

青山悟は1998年にロンドン大学ゴールドスミス・カレッジ、テキスタイルアート科を卒業。2001年にはシカゴ美術館付属美術大学大学院ファイバー&マテリアル・スタディーズ科を修了。初期からほぼ一貫して刺繍による平面作品を制作し、近年は立体作品も手がける。産業革命時代の労働のシンボルであった工業用ミシンを用いて制作される精巧な作品には、風刺やユーモアが込められたものも多い。手工芸の復興と社会改革を目指したアーツ・アンド・クラフツ運動の創始者であり社会主義者でもあったウィリアム・モリスの思想を参照することもしばしばで、「労働力の浪費は終わりを迎えるであろう」というモリスの言葉を引用する作品もある。作家は資本主義というシステムのなかでの人、機械、労働の関係を問いかけるのである。

丹念に縫い込まれた写実的な「Glitter Pieces」シリーズ(2008-2010)では、イメージをオーガンジーの布に転写し、カラーのメタリックの糸と黒糸を使って、数針ごとに上糸と下糸の色を変えることにより色調が整えられ陰影が表現される。主題とするイメージは青山が選んだ『ニューズウィーク』誌の掲載写真、およびその裏面にたまたま印刷されていたものをもとにしており、それぞれの対を背中合わせに展示する。青山は、マイクロソフト社の創業メンバー(《Glitter Pieces #15》)、米国のサブプライム・ローンで抵当に入った家(《Glitter Pieces #21》)、ゼネラルモーターズ社の経営危機(《Glitter Pieces #32》)が主題の写真を選ぶなど、2000年代に起きたITバブルの崩壊とリーマンショックなど経済的危機を念頭に本シリーズを制作した。作家自身、膨大な時間と労力を費やして作品を制作するが、確かに存在する労働者や労働という行為が、バーチャル化する資本主義の裏で目に見えなくなり、そしていとも簡単に彼らの職が奪われるという昨今の事象について問いを投げかけるのである。

Glitter Pieces #15、Glitter Pieces #16

作家名 : 青山 悟/Aoyama Satoru(1973-)
出身/在住 : 日本
制作年 : 2009
素材:メタリック糸と黒糸の刺繍、ポリエステル
サイズ:26.9×30.8 cm(各、2点組)

青山悟は1998年にロンドン大学ゴールドスミス・カレッジ、テキスタイルアート科を卒業。2001年にはシカゴ美術館付属美術大学大学院ファイバー&マテリアル・スタディーズ科を修了。初期からほぼ一貫して刺繍による平面作品を制作し、近年は立体作品も手がける。産業革命時代の労働のシンボルであった工業用ミシンを用いて制作される精巧な作品には、風刺やユーモアが込められたものも多い。手工芸の復興と社会改革を目指したアーツ・アンド・クラフツ運動の創始者であり社会主義者でもあったウィリアム・モリスの思想を参照することもしばしばで、「労働力の浪費は終わりを迎えるであろう」というモリスの言葉を引用する作品もある。作家は資本主義というシステムのなかでの人、機械、労働の関係を問いかけるのである。

丹念に縫い込まれた写実的な「Glitter Pieces」シリーズ(2008-2010)では、イメージをオーガンジーの布に転写し、カラーのメタリックの糸と黒糸を使って、数針ごとに上糸と下糸の色を変えることにより色調が整えられ陰影が表現される。主題とするイメージは青山が選んだ『ニューズウィーク』誌の掲載写真、およびその裏面にたまたま印刷されていたものをもとにしており、それぞれの対を背中合わせに展示する。青山は、マイクロソフト社の創業メンバー(《Glitter Pieces #15》)、米国のサブプライム・ローンで抵当に入った家(《Glitter Pieces #21》)、ゼネラルモーターズ社の経営危機(《Glitter Pieces #32》)が主題の写真を選ぶなど、2000年代に起きたITバブルの崩壊とリーマンショックなど経済的危機を念頭に本シリーズを制作した。作家自身、膨大な時間と労力を費やして作品を制作するが、確かに存在する労働者や労働という行為が、バーチャル化する資本主義の裏で目に見えなくなり、そしていとも簡単に彼らの職が奪われるという昨今の事象について問いを投げかけるのである。

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