早起きは三文の徳

作家名 : ロデル・タパヤ/Rodel Tapaya(1980-)
出身/在住 : フィリピン
制作年 : 2012
素材:アクリル絵具、キャンバス
サイズ:244×427 cm

ロデル・タパヤはフィリピンのアーティストで、大型の絵画作品や壁画、彫刻、立体作品、インスタレーションなどを制作する。フィリピンに伝わる先住民族の民間伝承や伝説を主題にし、動物や神、人間を描くこともしばしばである。これらの作品は熱帯雨林や土着的な建築物、色鮮やかな花など、フィリピン独自の風土を取り入れつつも、伝統と急速な都市化の間に生じる矛盾、農村部から海外へ移住する労働者の出稼ぎ、ポストコロニアルな問題など、今日のフィリピンが抱える現実のアレゴリーという側面も持つ。作家はフィリピン大学芸術学部を卒業後、2011年にはAPBシグネチャー・アート・プライズ受賞した。近年では所属画廊に加えオーストラリア国立美術館(キャンベラ、2017年)やアヤラ美術館(マニラ、2018年)などで個展を行っている。

本作《早起きは三文の徳》は、タパヤの他の絵画作品と同様に大胆な画面構成によるもので、フィリピンの西ビサヤ地方で使われるヒリガイノン語の民間伝承が主題となっている。この作品で描かれるのは、自分の名前の秘密を教えてもらうことを条件に、母親から使いの旅に出された男の物語である。彼は道中、魚と鷲の助けを借りて海の女神を呼び出すなどの一大冒険を体験する。やがて王様から彼の娘との結婚を申し込まれるが、男は旅を続けることを選び、ついに家へ戻った。しかし母親はすでに亡くなっており、男が自身の名の秘密を知ることはなかった。本作の英題はよく知られたことわざだが、早起きをした鳥のみがその秘密を知ることができたのかもしれない。なお画中に大きく描かれた鷲はヒリガイノンの伝承においては協力者であると同時に、救済の象徴であるという。

早起きは三文の徳

作家名 : ロデル・タパヤ/Rodel Tapaya(1980-)
出身/在住 : フィリピン
制作年 : 2012
素材:アクリル絵具、キャンバス
サイズ:244×427 cm

ロデル・タパヤはフィリピンのアーティストで、大型の絵画作品や壁画、彫刻、立体作品、インスタレーションなどを制作する。フィリピンに伝わる先住民族の民間伝承や伝説を主題にし、動物や神、人間を描くこともしばしばである。これらの作品は熱帯雨林や土着的な建築物、色鮮やかな花など、フィリピン独自の風土を取り入れつつも、伝統と急速な都市化の間に生じる矛盾、農村部から海外へ移住する労働者の出稼ぎ、ポストコロニアルな問題など、今日のフィリピンが抱える現実のアレゴリーという側面も持つ。作家はフィリピン大学芸術学部を卒業後、2011年にはAPBシグネチャー・アート・プライズ受賞した。近年では所属画廊に加えオーストラリア国立美術館(キャンベラ、2017年)やアヤラ美術館(マニラ、2018年)などで個展を行っている。

本作《早起きは三文の徳》は、タパヤの他の絵画作品と同様に大胆な画面構成によるもので、フィリピンの西ビサヤ地方で使われるヒリガイノン語の民間伝承が主題となっている。この作品で描かれるのは、自分の名前の秘密を教えてもらうことを条件に、母親から使いの旅に出された男の物語である。彼は道中、魚と鷲の助けを借りて海の女神を呼び出すなどの一大冒険を体験する。やがて王様から彼の娘との結婚を申し込まれるが、男は旅を続けることを選び、ついに家へ戻った。しかし母親はすでに亡くなっており、男が自身の名の秘密を知ることはなかった。本作の英題はよく知られたことわざだが、早起きをした鳥のみがその秘密を知ることができたのかもしれない。なお画中に大きく描かれた鷲はヒリガイノンの伝承においては協力者であると同時に、救済の象徴であるという。

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