展覧会を構成する6つのセクション
セクション1「ひとつになる」
「全体」は数々の「部分」によって構成されています。ヘザウィック・スタジオのデザインには、綿密に考案された細部が集合することで、強い説得力のある全体像が生み出されているものが少なくありません。そこには、小さなパーツに宿る魂を集めて、人の心を動かすひとつの大きな空間を創出しようとするヘザウィック・スタジオの姿勢を垣間見ることができます。

2012年
© Pawel Kopcznski/Reuters

2012年
© Pawel Kopcznski/Reuters

2010年
撮影:イワン・バーン

2010年
撮影:イワン・バーン
セクション2「みんなとつながる」
人々が自然に集い、会話が始まるような開放的な空間。ヘザウィック・スタジオのデザインには、閉鎖的になりがちな空間を開き、隣接する空間と繋げていくことで、自然の光や空気に触れながら、人と人が自ずと出会えるような意匠的配慮がみられます。

《グーグル・ベイ・ビュー》
2022年
カリフォルニア州マウンテン・ビュー
撮影:イワン・バーン

《グーグル・ベイ・ビュー》
2022年
カリフォルニア州マウンテン・ビュー
撮影:イワン・バーン

2021年

2021年
セクション3「彫刻的空間を体感する」
ヘザウィック・スタジオのデザインの特筆すべき特徴のひとつが、彫刻的なかたちです。空間を体感することのできる建築物も、ヒューマン・スケールで発案されており、彫刻がそのまま大きくなった空間とも言えるでしょう。形状だけでなく、素材やそのテクスチャーにもアーティストや職人による手作業の温もりが残されています。

2019年
ハドソン・ヤード(ニューヨーク)
撮影:ティム・シェンク

2019年
ハドソン・ヤード(ニューヨーク)
撮影:ティム・シェンク

2020年(契約)
中国
Courtesy: Devisual

2020年(契約)
中国
Courtesy: Devisual
セクション4「都市空間で自然を感じる」
自然界にある新陳代謝のエコロジー。そこから生まれるエネルギーは、都市生活者の心に潤いや活気をもたらすものです。ヘザウィック・スタジオは、人々が親しみ、楽しむ場所をデザインし、心豊かで充実した体験を提供することで、持続的なプラス効果を生みだすことを常に目指しています。また、都市環境における自然のもたらす役割を検証したうえで植栽を行い、自然界のエネルギーをふんだんに都市空間に取り込みます。

2021年
上海
撮影:ジュウ・チンヤン

2021年
上海
撮影:ジュウ・チンヤン
セクション5「記憶を未来へつなげる」
歴史は人々の物語の蓄積です。建築物にもそこで時間を過ごした人々の記憶が宿っています。当初の役割を終えた建築物の記憶を未来へ繋げること。ヘザウィック・スタジオのデザインには、こうした使命感が感じられます。建物の元のデザインを活かして大胆な改装をする一方で、かつての状態へ修復、復元しようとするこだわりが随所に見られます。

2014年
英国、ハンプシャー
撮影:イワン・バーン

2014年
英国、ハンプシャー
撮影:イワン・バーン

2017年
ケープタウン
撮影:イワン・バーン

2017年
ケープタウン
撮影:イワン・バーン
セクション6「遊ぶ、使う」
ヘザウィック・スタジオのデザインは、遊び心に溢れています。円形から楕円に、楕円から円形に自由に形を変えることができる《フリクション・テーブル》は、人々のニーズに応じて家具に柔軟性を持たせるという大胆な発想によるものです。彫刻作品のような椅子《スパン》は、人が座ると弧を描きながら360度回転します。こうした柔軟で自由な発想の集積が、まさに建築という大きなスケールにも活かされていることがわかります。

2007年-
Courtesy: Magis

2007年-
Courtesy: Magis

2007年-
Courtesy: Magis
撮影:スーザン・スマート

2007年-
Courtesy: Magis
撮影:スーザン・スマート