2009年11月12日(木)

《不平の合唱団―東京》制作の舞台裏:その2

前回のリポートに続いて、今回は、その後行われたアーティストによる制作のツメと、第2回目のワークショップの模様をレポートします。

前回のワークショップの翌日、合唱団員の中から手の挙がったボランティア10名と、テレルヴォ・カルレイネン、オリヴァー・コフタ=カルレイネン、作曲家の大口俊輔さん、合唱指導の神田智子さん、そして森美術館のスタッフが集まり、ワークショップで選ばれた不平不満のさらなる絞り込みと、歌詞にするための言葉の編集を行いました。

たくさんの不平不満を内容の種類や歌詞のおもしろさ、わかりやすさなど、さまざまなバランスを考慮して絞り込む作業は想像以上に時間がかかり、気がついたときには3時間も経っていました。この作業終了後もアーティストの2人によって、さらなる絞り込みと編集が行われました。

そうしてできた歌詞が大口さんの手に渡り、作曲されたものが、今回のワークショップで合唱団員に発表されました! 出来上がってきた曲は、不平や不満を歌っていとは思えないほど明るい雰囲気で、とっても親しみやすいものでした。

早速、大口さんの指導のもと、団員は練習を開始。合唱経験がない方もたくさんいらっしゃるのに、みなさんレベルがかなり高く、数回歌っただけで曲の雰囲気をつかんでいた様子でした。さすがにちょっと難しい拍子の部分は、そこだけ繰り返し歌ってメロディを正確にとるとともに、歌詞がきちんと聞こえるように練習していました。

ワークショップの後半は、男性が歌うベースとテノール、女性が歌うソプラノとアルトの2グループに分かれて練習。最後に全てのグループで合わせて歌ってみたところ、予想以上のできに、自然とみなさんから拍手が起きていました。

ワークショップ終了後は、六本木ヒルズのカフェ「エスプレッソ・アメリカーノ」が提供してくださったサンドウィッチを会場でいただきました。合唱練習で打ち解けるとともに結束する力が生まれたようで、いくつもの人の輪ができ、みなさんとても楽しそうに召し上がっていました。

合唱の練習ワークショップは、あと3回。その模様も随時リポートしますので、ご期待ください。

撮影:御厨慎一郎

<関連リンク>
「MAMプロジェクト010展:テレルヴォ・カルレイネン+オリヴァー・コフタ=カルレイネン」
http://www.mori.art.museum/contents/ mamproject/project010/index.html
会期:2009年11月28日(土)~2010年2月28日(日)

カフェ「エスプレッソ・アメリカーノ」(六本木ヒルズ店)
http://www.roppongihills.com/shops_restaurants/restaurants/cafe/209330006.html

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カテゴリー:03.活動レポート
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