村上隆の五百羅漢図展

みどころ

727系、円相、抽象 | 達磨 | DOB君 | 五百羅漢図 - 「青竜」「白虎」 | 五百羅漢図 - 「玄武」「朱雀」

達磨

《達磨大師》

《達磨大師》 2007年
アクリル、プラチナ箔、カンバス、板にマウント 1601×3510×50mm(六曲) 個人蔵
Courtesy Blum & Poe, Los Angeles
(C)2007 Takashi Murakami/Kaikai Kiki Co., Ltd. All Rights Reserved.

村上隆は達磨絵を2007年に初めて発表しましたが、これは日本美術の伝統に改めて取り組むという作家の新たな方向性を告げるものとなりました。

会場にて隣に並ぶ作品は、雪舟の水墨画でも有名な、達磨に弟子入りを拒まれた慧可(えか)が自らの腕を切り落としその決意のほどを示したという逸話を描いたものです。村上は慧可の腕に焦点を絞り、逸話的な部分よりも、絵画的な構成を重視しています。

また、村上が「達磨」と呼ぶ、展示室の中央に鎮座する彫刻作品《宇宙の産声》は、2005年六本木ヒルズの毛利庭園に展示された《とんがりくん(二重螺旋逆転)》やロサンゼルス現代美術館で公開の《大仏オーヴァル》に続く、革新的な彫刻を追求する最新形です。発展を追求しつづける近現代の社会構造が自らの重みで潰れていく、という現実を表現したという本作は、モンスターのようでもあり、また金色に輝く体は荘厳さも湛えています。354個の目、105本の髭、1200本以上もの歯を持った巨体が身もだえするような姿は、彫刻における「瓦解する形状」の系譜を意識しています。崩れ行くこの世をテーマに、作家の揺らぐ心情をそのまま表し、10年以上の歳月をかけてもまだ完成に至らない、という終わりのない大作彫刻です。


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