「MAM コレクション 020」では、アジアをルーツとする4名のアーティストの作品を、「世界は小さな物語のなかに」と題して紹介します。
下道基行(1978年、日本生まれ)、ヴァンディー・ラッタナ(1980年、カンボジア生まれ)、ジャン・オー(张鸥、1976年、中国生まれ)、ツァオ・フェイ(曹斐、1978年、中国生まれ)は、国家や人種、歴史との狭間にある名もなき人々や風景に意識を傾け、それら「小さな物語」から見えてくる世界の構造を、独自の視点で鋭く問い直します。4名のアーティストの作品には、太平洋戦争やベトナム戦争によって今日まで残された風景、国際養子縁組政策によって結ばれた人種の異なる親子、ヒップホップカルチャーを軽快に受容する市井の人々などが映しだされています。いずれの作品にも、20世紀初頭から現代に至るまで変化し続けるアジア諸国と米国との複雑な歴史や影響関係が立ち現われ、今なお、私たちが生きる日々の小さな物語のなかにその痕跡を見つけることができるのだと認識させられます。
本展で紹介する4名のアーティストの作品をとおして、来るべき未来に向けての手がかりを見つけることができるでしょう。

《torii―テニアン、アメリカ》
2006-2012年
Cプリント
50.8×61 cm

《コンポントム(「爆弾の池」シリーズより)》
2009年
デジタルCプリント
90×150 cm

《パパとわたし:No. 29》
2006年
Cプリント
100×100 cm

《ヒップ・ホップ―広州》
2003年
DVD、カラー、サウンド
3分

《torii―テニアン、アメリカ》
2006-2012年
Cプリント
50.8×61 cm

《コンポントム(「爆弾の池」シリーズより)》
2009年
デジタルCプリント
90×150 cm

《パパとわたし:No. 29》
2006年
Cプリント
100×100 cm

《ヒップ・ホップ―広州》
2003年
DVD、カラー、サウンド
3分