メッセージ
二十代前半、父の死を機に、命のはかなさに向き合うなかで、人の存在は本当に終わってしまうものなのだろうかという問いが、私の中に芽生えました。まず仏教に答えを求め、宇宙物理の書をひもとき、世界各地の古代都市や祈りの場(ギザ、ラリベラ、アンコールワット、テオティワカン、マチュピチュなど)を巡り、やがて国内外の新石器時代の遺跡(オークニー、ニューグレンジ、井戸尻、大湯)へと思索を広げていきました。そうした探求の中で、科学者やエンジニアと協働しながら技術の開発を重ね、宇宙との結びつきを体験できるような新しい表現を試みてきました。
創作活動を通して、魂という存在があるのなら、それは光であり、より大きな存在の一部なのではないかと考えるようになりました。生と死は物質的な次元では分かれているように見えても、より深い層においては、もともと分断されていないのかもしれません。その感覚は、名づけることのできない内なる光として、作品の中に静かに息づいています。
森万里子 略歴
第5回イスタンブール・ビエンナーレ
第4回リヨン・ビエンナーレ(フランス)
個展「ドリーム・テンプル」プラダ財団(ミラノ)、巡回:ローゼアム現代美術館(スウェーデン、マルモ)
第12回シドニー・ビエンナーレ
第3回上海ビエンナーレ
第1回瀬戸内国際芸術祭
※リオデジャネイロ開催の「ワンネス」がその年の世界で最も来場者数の多い現代美術展となる。(The Art Newspaper 2012年4月号より)
プライマル・リズム・プロジェクト《サンピラー》を沖縄県宮古島市の七光湾に恒久設置[Faou公益財団]
作品は、ソロモン・R・グッゲンハイム美術館(ニューヨーク)、ニューヨーク近代美術館(MoMA)、ポンピドゥ・センター(パリ)、フォンダシオン・ルイ・ヴィトン(パリ)、プラダ財団(ミラノ)、ロサンゼルス・カウンティ美術館、ベネッセアートサイト直島(香川、豊島)、グッゲンハイム・アブダビ(アラブ首長国連邦)、テート・モダン(ロンドン)、サンフランシスコ近代美術館、ピンチュック・アート・センター(キーウ)、ロサンゼルス現代美術館(MOCA)などに収蔵されています。

