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「カタストロフと美術のちから展」作品紹介#7 ミロスワフ・バウカ《石鹸の通路》

2018.12.12(水)

ミロスワフ・バウカ(1958年ポーランド、オトヴォック生まれ、ワルシャワ在住)
《石鹸の通路》

L字の細い廊下のような空間の壁に、薄くのばされた石鹸が塗布されています。第二次世界大戦時に、ホロコーストによって多くのユダヤ人が犠牲になったポーランド出身である作家にとって、石鹸は様々な意味を持つ象徴的な素材です。新生児の体を洗い、また遺体にも同様に用いられる、生と死という決定的な瞬間の両方に関わるものであり、ガス室に送られたユダヤ人たちが石鹸を手渡されたという歴史も思い起こされます。また、壁はバウカが手を伸ばした高さに、石鹸が塗布されている高さは身長に、それぞれ由来しており、作家の身体スケールを想像させます。

ミロスワフ・バウカ《石鹸の通路》
ミロスワフ・バウカ
《石鹸の通路》
1993/2018年
木材、塗料、石鹸
Courtesy: White Cube, London
展示風景:「カタストロフと美術のちから展」森美術館(東京)2018年
撮影:木奥惠三
ミロスワフ・バウカ《石鹸の通路》
ミロスワフ・バウカ
《石鹸の通路》
1993/2018年
木材、塗料、石鹸
Courtesy: White Cube, London
展示風景:「カタストロフと美術のちから展」森美術館(東京)2018年
撮影:木奥惠三
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