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AIとのコラボレーションにより展覧会タイトルを決定

2019.8.29(木)

※参考イメージ
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森美術館は、2019年11月19日(火)から2020年3月29日(日)まで開催する企画展において、AI(人工知能)「IBM Watson」(以下、Watson)を利用して展覧会タイトルを決定しました。AIによって生成された15,000を超える候補から選ばれたタイトルは、「未来と芸術展:AI、ロボット、都市、生命――人は明日どう生きるのか」です。

プロジェクトの背景

本展は、AI、バイオ技術、ロボット工学、AR(拡張現実)など最先端のテクノロジーや、その影響を受けて生まれたアート、デザイン、建築を通して、近未来の都市、環境問題からライフスタイル、そして社会や人間のあり方をみなさんと一緒に考える展覧会です。美術の領域を超えた学際的な展覧会を目指し、企画当初より、AIの開発と実績においてトップランナーである日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)と、本展でのAIを活用したコラボレーションの可能性について協議を重ねてきました。その結果、Watsonの持つ自然言語処理、概念抽出、大量のデータ抽出などの技術が活かされる、本展のタイトルの考案プロセスにおいて協働することになりました。

タイトル決定までのプロセス

まず、本展の企画書や森美術館の過去15年間の展覧会のタイトル、また本展企画者である南條史生館長へのインタビューなどのテキストデータをWatsonへ提供しました。Watsonがそれらの分析を行い、「Future」、「Arts」、「Human」といった本展のキーワードを抽出したのち、15,000通りを超える単語の組み合わせを生成しました。さらにAIが絞り込んだ約150のタイトル案から、本展のプロジェクトメンバーにて協議し、最終的に「未来と芸術展:AI、ロボット、都市、生命――人は明日どう生きるのか」に決定しました。
この取り組みにあたり、日本IBM GBS iX シニアマネジングコンサルタント 岡田明氏は、「クリエイティビティにAIを活用するという今回の試みは、膨大な事象や文脈の背景を紐解き、着想・想像のパターンに迫っていくというチャレンジングな取り組みです。AIというテクノロジーが思考や表現の領域でも一般的に浸透し、人間の創造活動を拡張する一助となれば幸いです。」と語っています。
また、森美術館館長 南條史生は、「クリエイティビティとはゼロから何かを作りだすことでなく、事物やアイデアの思いがけない結びつきから生じると言われる。あらゆる言葉の可能性が提示されたが、そこからは我々とWatsonとの共同作業となった。これが未来における人間と人工知能の関係のあり方なのかもしれない。」と述べています。

「IBM Watson」とは

IBM Watsonは、IBMが提供するエンタープライズ向けのAIサービス、アプリケーションおよびツールです。IBM Watsonは、3層のAIモデルとIBMの深い業界の専門知識により、ゼロから学習することなく効率的な学習が可能です。また、すべてのエンタープライズAIアプリケーションを一箇所で管理することもでき、業務への活用に最適なAIです。

「未来と芸術展:AI、ロボット、都市、生命――人は明日どう生きるのか」の詳細はこちら

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