2016年6月16日(木)

「六本木クロッシング2016展」アーティスト&作品紹介#8~長谷川愛

全8回にわたって「六本木クロッシング2016展」のアーティスト、作品を紹介してきた本ブログも、今回で最終回。ラストを飾るのは、バイオテクノロジーとアートを探求する長谷川愛。《(不)可能な子供》を取り上げます。


《(不)可能な子供》
2015年
デジタルプリント
90 × 135 cm

現在マサチューセッツ工科大学のメディアラボで研究員を務める長谷川愛は、バイオテクノロジーとアートの可能性を探求するアーティストです。
《(不)可能な子供》(2015-2016)は、iPS細胞の研究によって、将来同性カップルの間にふたりの遺伝子を受け継ぐ「実子」が誕生するかもしれないという想定のもと、実際の同性カップルの協力を得て作品化したプロジェクトです。カップルの遺伝子を分析して誕生しうる子供たちの姿を視覚化しました。同時にモニターには科学者や法学者、LGBT当事者の人たちのインタビューが映され、壁にはさまざまな意見が書かれています。
長谷川は、このプロジェクトを通して議論を促そうとします。科学の発達とそれに伴う倫理、さらにはより多様性のある家族の形。これらの問いは作品を見る私たちにも投げかけられているのです。


展示風景:「六本木クロッシング2016展:僕の身体、あなたの声」森美術館、2016年
撮影:永禮 賢
 

<関連リンク>

六本木クロッシング2016展:僕の身体、あなたの声
会期:2016年3月26日(土)-7月10日(日)

・「六本木クロッシング2016展」~アーティスト&作品紹介
(1)毛利悠子
(2)片山真理
(3)石川竜一
(4)後藤靖香
(5)志村信裕
(6)小林エリカ
(7)ジュン・ヤン
(8)長谷川愛

アーティスト×キュレーターによるセッション
「六本木クロッシング2016展」クロストークDay 1をレポート
~毛利悠子、さわひらき、西原尚、ナイル・ケティング、ジェイ・チュン&キュウ・タケキ・マエダ、ジュン・ヤン

カテゴリー:01.MAMオピニオン
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