展覧会

MAMコレクション021:ハオ・ジンバン(郝敬班)

2025.12.3(水)~ 2026.3.29(日)

ハオ・ジンバン(郝敬班、1985年中国山西省生まれ、雲南省在住)は、歴史のリサーチに基づく映像作品を通して現在と過去の変化や距離を探求するアーティストです。その実践は、アーカイブの調査研究、個人へのインタビュー、そしてパフォーマンスを中心とし、個人や集合体に宿る物語に迫るドキュメンタリーの形式をとりながら、歴史の陰に隠れた複雑な現実を可視化させます。過去には、文化大革命前後に流行した北京における社交ダンスや1930年代の中国東北地方の映画を題材に、複雑な歴史、社会運動、そして文化批評の視点を映像作品に投影してきました。近年では、新型コロナウイルスによるパンデミック、ブラック・ライブズ・マターなど、現代における政治的状況と民衆の心理的影響を鋭く観察し、批評的な視点から作品を掘り下げています。

2021年に、スペインのバルセロナに拠点を置くハン・ネフケンス財団と、森美術館、M+(香港)、シンガポール美術館が共同で創設した「ムービング・イメージ・コミッション」において、2023年の受賞アーティストとしてハオ・ジンバンが選ばれました。本展では、家族を失った人々の「喪の感情」を身体的なパフォーマンスを通じて再現し、象徴的な哀悼の表現を身体で探求する、3チャンネル・ビデオ・インスタレーションの最新作《見届ける者として》をご紹介します。

※《見届ける者として》はハン・ネフケンス財団、森美術館、M+、シンガポール美術館による共同コミッション作品です。

ハンネフケンス

ハオ・ジンバン《見届ける者として》
ハオ・ジンバン
《見届ける者として》
2025年
3チャンネル・ビデオ・インスタレーション
54分41秒
Courtesy:Blindspot Gallery
ハオ・ジンバン《見届ける者として》
ハオ・ジンバン
《見届ける者として》
2025年
3チャンネル・ビデオ・インスタレーション
54分41秒
Courtesy:Blindspot Gallery

ハオ・ジンバン(郝敬班)

主な個展に、「ハオ・ジンバン:オーパスワン」(マタデロ・マドリード、スペイン、2020年)、「Silent Speech」(OCAT西安、中国、2019年)、「Uninvited Guests」(ブラインドスポット・ギャラリー、香港、2018年)、「New Directions: Hao Jingban」(UCCA北京、2016年)、「Over-Romanticism」(泰康空間、北京、2016年)などがある。また、主な展覧会および国際展に、Fracブルターニュ(レンヌ、フランス、2025年)、TANK上海(2024)、西岸美術館(上海、2023年)、Arts West Gallery(メルボルン、オーストラリア、2023年)、第10回アジア・パシフィック・トリエンナーレ(ブリスベン、オーストラリア、2021年)、第11回ソウル・メディアシティ・ビエンナーレ(2021年)、タイムズ・アート・センター・ベルリン(2020年)、上海当代芸術博物館(2019年)、ロックバンド美術館(上海、2019年)、時代美術館(広州、中国、2018・2019年)、ポンピドゥー・センター(パリ、2017・2019年)、ボストン美術館(米国、2018年)、フロント・インターナショナル:クリーブランド・トリエンナーレ(米国、2018年)、第11回上海ビエンナーレ(2016年)、關渡美術館(台北、2016年)、広島市現代美術館(2015年)などがある。
主な受賞歴に、SeMA-HANAメディア・アート賞(2021年)、第63回オーバーハウゼン国際短編映画祭国際批評家賞(2017年)、第11回Award of Art Chinaにて「ヤング・アーティスト・オブ・ザ・イヤー」(2017年)、華宇青年賞審査員大賞(2016年)などがある。

基本情報
  • シェアする
  • ツイートする

MAMコレクション021:ハオ・ジンバン


撮影に関する注意事項

「MAMコレクション021:ハオ・ジンバン」では、写真・動画撮影はできません。


「MAMコレクション」とは?

日本を含むアジア太平洋地域の現代美術に焦点をあてた森美術館のコレクションは、現在、約460点を数えます。「MAMコレクション」では、これらを順次、多様なテーマに沿って紹介しています。毎回変化する、示唆に富んだ現代アートのセレクションをお楽しみください。

  • シェアする
  • ツイートする
  • LINEで送る