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「カタストロフと美術のちから展」作品紹介#8 ヒワ・K《鐘》

2018.12.19(水)

ヒワ・K(1975年イラク、スレイマニヤ生まれ、ベルリン在住)
《鐘》

本作は、イラクで戦争に使用された武器の残骸などを集めて溶かし、それを材料にイタリアで鐘を作るプロジェクトです。戦争が起こると、資源不足から教会などの鐘も材料にして武器が生産されますが、《鐘》ではその流れを逆転させています。イラクでヒワ・Kを案内するナジャドという男性は、精製した金属を販売することで財を成しています。一方、イタリアの鐘工房の職人の友人は、先祖が戦時中に大砲の製造に関わっていたと言い、武器、鐘、金属をめぐる物語の円環構造が浮かび上がります。鐘には過激派組織ISに破壊されたメソポタミア文明の遺跡と同じ装飾が施されています。

ヒワ・K《鐘》
ヒワ・K
《鐘》
2015年
ブロンズに鋳造された武器の廃材、木、2チャンネル・ハイビジョン・ビデオ、カラー、サウンド
ラ・ガイア・コレクション(イタリア、ブスカ)
Courtesy: Prometeogallery di Ida Pisani, Milan/Lucca; KOW, Berlin
展示風景:「カタストロフと美術のちから展」森美術館(東京)2018年
撮影:木奥惠三
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