2013年6月12日(水)

草間彌生《愛が呼んでいる》
1分でわかる「LOVE展」~アーティスト&作品紹介(7)

1分でわかる「LOVE展」連載第7回では、水玉や網目を反復・増殖させた絵画、立体、映像で知られる、現在世界で最も著名な日本人アーティストのひとりである草間彌生を取り上げます。「LOVE展:アートにみる愛のかたち」には新作《愛が呼んでいる》が登場、「セクション5:広がる愛」でご覧いただけます。


草間彌生
《愛が呼んでいる》
2013年
ミクストメディア
インスタレーション

草間彌生は、1930年代より制作を始め、1957年に渡米。ニューヨークで絵画やインスタレーション、ファッション作品とともに、数々のハプニングと呼ばれるパフォーマンスも発表しています。草間にとって、地球、月、太陽、人間など森羅万象のすべてのものは無数の水玉でできており、その水玉を反復・増殖させることは自己を消滅させ、宇宙の根源にたち返ることを意味します。

出品作の《愛が呼んでいる》(2013)は本展のために制作された新作インスタレーション。ゆっくりと色が変化する水玉で覆われた突起物がいくつも床や天井から伸び、愛について書かれた詩「落涙の居城に住みて」(2010)を読む彼女自身の声が各所より聞こえます。万華鏡の内部のような鏡張りの異空間に身を置けば、そこはまさに草間ワールド。愛は草間にとって永遠のテーマであり、その対象は自己からすべての人類や生きもの、そして宇宙へと際限なく広がるのです。
 

<関連リンク>

六本木ヒルズ・森美術館10周年記念展
「LOVE展:アートにみる愛のかたち-シャガールから草間彌生、初音ミクまで」

2013年4月26日(金)-9月1日(日)

・1分でわかる「LOVE展」~アーティスト&作品紹介
(1)ジェフ・クーンズ《聖なるハート》
(2)ゴウハル・ダシュティ「今日の生活と戦争」シリーズ
(3)ナン・ゴールディン「性的依存のバラッド」シリーズ
(4)ジョン・エヴァレット・ミレイ《声を聞かせて!》
(5)フリーダ・カーロ《私の祖父母、両親そして私(家系図)》
(6)ジャン・シャオガン《血縁:大家族》
(7)草間彌生《愛が呼んでいる》
(8)シルパ・グプタ《わたしもあなたの空の下に生きている》
(9)初音ミク《初音ミク:繋がる愛》
(10)アルフレド・ジャー《抱擁》
(11)ロバート・インディアナ《ラブ》 & ギムホンソック《ラブ》
(12)ソフィ・カル《どうか元気で》
(13)シャガール、マグリッド、フランシス・ピカビアらが描いた恋人たち
(14)トレイシー・エミン《あなたを愛すると誓うわ》
(15)デヴィッド・ホックニー《両親》
(16)デミアン・ハースト《無題》

カテゴリー:01.MAMオピニオン
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