2016年8月31日(水)

「宇宙の入り口」へようこそ!
~「宇宙と芸術展」作品紹介(2)《流星刀》

岡吉国宗《流星刀》
1898年

「流星刀」とは隕石の一種である隕鉄から作られた日本刀の総称です。本作は、東京農業大学の創設者であり政治家でもあった榎本武揚(1836-1908)の依頼により、刀工の岡吉国宗が製作した長刀2振、短刀3振のうちの、長刀一振りです。材料となった隕石は現在の富山県中新川郡上市町で住民によって発見されたものの、隕石であることを知らずにいた発見者により、数年にわたり漬物石として使用されていました。製作が非常に困難で、刀工が氷川神社に祈祷し3週間にわたる工夫の末に完成したことなどが記録に残っています。なお、一緒に作られたもう一振の長刀は当時の皇太子(後の大正天皇)に献上されました。


岡吉国宗《流星刀》
1898年/隕鉄/刃長 68.6cm 反り 1.5cm/所蔵:東京農業大学図書館/撮影:木奥惠三
 

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カテゴリー:01.MAMオピニオン
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