展覧会

STARS展:現代美術のスターたち―日本から世界へ

2020.4.23(木)~ 9.6(日)

草間彌生

1929年長野県松本市生まれ。1957年に渡米。画面全体に網目を描くネットペインティングや、布製の突起物が表面を覆うソフトスカルプチャーを発表し注目される。これらの作品にみられる反復性は、幼少期から続く幻覚症状や脅迫観念の影響であり、草間の作品に通底する特徴を表している。1960年代後半にはファッション・ショーや反戦運動などのハプニングで話題となり、ニューヨークのアート・シーンにおいて重要な存在となる。1973年に帰国後も精力的な活動を続け、1990年代以降はパブリックアートや大型インスタレーションを数多く発表し、ポップな色彩と南瓜や草花など親しみやすいモチーフの作品は絶大な人気を博している。1993年第45回ベネチア・ビエンナーレに日本館代表として参加。1998年のロサンゼルス・カウンティ美術館とニューヨーク近代美術館の共同企画による個展「Love Forever:Yayoi Kusama 1958-1968」を皮切りに、世界各地で大規模な個展を開催している。2011年から2012年にはテート・モダン(ロンドン)やホイットニー美術館(ニューヨーク)など欧米4都市を巡回する回顧展を開催。2016年タイム誌で「世界で最も影響力のある100人」に選出された。


李禹煥(リ・ウファン)

1936年、韓国慶尚南道生まれ。1956年以降日本在住。日本の高度経済成長期、近代への批判が国際的にも高まるなか、生産を否定し、ものや素材そのものを提示する彫刻の動向が生まれ、後に「もの派」と呼ばれる。そのなかで李はもの相互の関係性に意識を向けた制作を行う。また、1969年には評論「事物から存在へ」が美術出版社芸術評論賞で入選。批評活動を通して「もの派」の理論化に大きく貢献した。1968年に東京国立近代美術館にて開催された「韓国現代絵画展」以降、日本と韓国の現代美術界の交流にも尽力。1971年には第7回パリ青年ビエンナーレに参加し、以降ドイツやフランスなど欧州を中心に継続的に作品を発表してきた。2011年にはグッゲンハイム美術館(ニューヨーク)で大規模な回顧展、2014年はヴェルサイユ宮殿で大規模個展、2019年にもポンピドゥー・センター・メス(フランス)で個展が開催されている。2010年には直島に李禹煥美術館、2015年には韓国に釜山市立美術館・李禹煥空間が開館した。日本の戦後美術への関心の拡がりや非欧米圏のモダニズムの比較研究とともに「もの派」が国際的にも再評価され、李禹煥の50年に亘る多様な実践にも注目が高まっている。


宮島達男

Photo Courtesy: Lisson Gallery

1957年、東京生まれ。「それは変化し続ける」「それはあらゆるものと関係を結ぶ」「それは永遠に続く」というコンセプトに基づき、数字が変化するデジタルカウンターを使ったインスタレーションや立体作品を中心に制作を行う。1988年第43回ベネチア・ビエンナーレの若手作家部門「アペルト88」で《時の海》を展示し国際的な注目を集め、1997年ヘイワード・ギャラリー(ロンドン)での個展をはじめ世界各地で個展を開催する。1999年第48回ベネチア・ビエンナーレでは日本館代表に選ばれる。作品では時間という普遍的な概念を扱いつつも仏教的思想やテクノロジーという要素を融合させ、国際的評価を得ている。近年では北京UCCA、上海民生美術館などでも個展が開催されている。一方で、1996年には、長崎で被爆した柿の木を源とする苗木を世界各地に植樹する「時の蘇生・柿の木プロジェクト」を始動し、2017年からは、東日本大震災犠牲者の鎮魂と震災の記憶の継承を願い、《時の海―東北》を継続的に制作するなど、社会的な参加型プロジェクトにも力を入れている。


村上 隆

Photo Courtesy: Museum of Fine Arts, Boston

1962年、東京生まれ。日本の伝統絵画と現代美術の源流をアニメ・マンガの視覚論を通して再構想する「スーパーフラット」論を提唱。Miss Ko²とDOB君など、おたく文化を反映したキャラクターを多く生み出し、キッチュ性の高い彫刻作品と西洋の透視図を対極とする超二次元的な絵画を発表している。村上のサブカルチャーを基盤とする文化論は、高級/低俗のヒエラルキーを解体するだけでなく、戦後日本人の心理を批評的に描き出し、グローバル化が進むアート・シーンに日本固有の言説を確立した。また、ルイ・ヴィトンとのコラボレーションや、ストリートカルチャーと現代陶芸に着目した活動を通して、現代美術の垣根を超えた観客層を世界中で獲得し続けている。2005年に自身が企画した「スーパーフラット三部作」の最終章「リトルボーイ展」ジャパン・ソサエティ(ニューヨーク)は、全米批評家連盟によるベストキュレーション賞に輝いた。2007年から2009年には初の回顧展「©MURAKAMI」がロサンゼルス現代美術館を含む欧米4都市を巡回。2010年以降は、ヴェルサイユ宮殿、アルリワク展示場(ドーハ)、森美術館、ガラージ現代美術館(モスクワ)、大館(香港)など、世界中で個展を開催している。


奈良美智

1959年、青森県弘前市生まれ、栃木県在住。ドローイング、絵画、彫刻などを制作している。子供、動物、植物などが頻繁に登場する作品群は、親しみやすさと神聖さ、無邪気さと残酷さなど、一見相反する性格を共存させ、観るものの想像力を刺激する。日本の「かわいい」文化を体現するものと捉えられることもあるが、こうした不安定で力を持たない主人公たちは、辺境や境界で生きるものたち、権力構造を逃れる自由な精神の代弁者なのである。音楽への造詣の深さと愛、ポップカルチャーと現代美術の接続を行うようなジャンルを超えたスタイルでも知られる。1980年代後半に作家活動を開始し、1988年から2000年まではドイツを拠点に活動。日本に帰国した2000年には、シカゴ現代美術館やサンタモニカ美術館(現インスティテュート・オブ・コンテンポラリーアート・ロサンゼルス)で個展を開催するなど、欧米での評価を確実なものにする。2001年には国内初の大型個展が、横浜美術館を始め国内5都市を巡回し、2000年代には、韓国、中国、台湾のみならず、東南アジアでも注目が高まり、2015年には香港のアジア・ソサエティで個展を開催。2020年にはロサンゼルス・カウンティ美術館での大規模な個展、ダラス現代美術館での個展が予定されるなど、近年益々評価が高まっている。


杉本博司

1948年、東京生まれ。1970年に渡米しロサンゼルスで写真を学んだ後、1974年にはニューヨークに移住。現実と虚像の間を往来する「ジオラマ」、「ポートレート」、映画一本分の長時間露光による「劇場」、世界各地の水平線を撮影した「海景」など、初期から一貫して明確なコンセプトに基づいた写真作品を制作。1977年、初めてのパブリックコレクションとして「ジオラマ」シリーズから《シロクマ》(1976年)がニューヨーク近代美術館に収蔵される。その後、1995年から始まったメトロポリタン美術館(ニューヨーク)の個展が米国内及びハラ ミュージアム アーク(群馬)に巡回し、大きな注目を浴びる。2005年、森美術館での個展「杉本博司:時間の終わり」は米国3都市に巡回。固有のコンセプトと哲学、美学を兼ね備えた写真作品が美術館と市場の双方で確固たる立ち位置を確立する。その後、彼の壮大な世界観や歴史観は写真メディア、さらには現代美術に限定されることなく、近年の表現は建築、伝統美術、古典芸能など幅広い芸術領域を横断している。なかでも2017年開館の小田原文化財団 江之浦測候所は、構想から20年をかけたもので、その世界観が凝縮された壮大なプロジェクトは世界から注目が高まっている。

草間彌生

1929年長野県松本市生まれ。1957年に渡米。画面全体に網目を描くネットペインティングや、布製の突起物が表面を覆うソフトスカルプチャーを発表し注目される。これらの作品にみられる反復性は、幼少期から続く幻覚症状や脅迫観念の影響であり、草間の作品に通底する特徴を表している。1960年代後半にはファッション・ショーや反戦運動などのハプニングで話題となり、ニューヨークのアート・シーンにおいて重要な存在となる。1973年に帰国後も精力的な活動を続け、1990年代以降はパブリックアートや大型インスタレーションを数多く発表し、ポップな色彩と南瓜や草花など親しみやすいモチーフの作品は絶大な人気を博している。1993年第45回ベネチア・ビエンナーレに日本館代表として参加。1998年のロサンゼルス・カウンティ美術館とニューヨーク近代美術館の共同企画による個展「Love Forever:Yayoi Kusama 1958-1968」を皮切りに、世界各地で大規模な個展を開催している。2011年から2012年にはテート・モダン(ロンドン)やホイットニー美術館(ニューヨーク)など欧米4都市を巡回する回顧展を開催。2016年タイム誌で「世界で最も影響力のある100人」に選出された。


李禹煥(リ・ウファン)

1936年、韓国慶尚南道生まれ。1956年以降日本在住。日本の高度経済成長期、近代への批判が国際的にも高まるなか、生産を否定し、ものや素材そのものを提示する彫刻の動向が生まれ、後に「もの派」と呼ばれる。そのなかで李はもの相互の関係性に意識を向けた制作を行う。また、1969年には評論「事物から存在へ」が美術出版社芸術評論賞で入選。批評活動を通して「もの派」の理論化に大きく貢献した。1968年に東京国立近代美術館にて開催された「韓国現代絵画展」以降、日本と韓国の現代美術界の交流にも尽力。1971年には第7回パリ青年ビエンナーレに参加し、以降ドイツやフランスなど欧州を中心に継続的に作品を発表してきた。2011年にはグッゲンハイム美術館(ニューヨーク)で大規模な回顧展、2014年はヴェルサイユ宮殿で大規模個展、2019年にもポンピドゥー・センター・メス(フランス)で個展が開催されている。2010年には直島に李禹煥美術館、2015年には韓国に釜山市立美術館・李禹煥空間が開館した。日本の戦後美術への関心の拡がりや非欧米圏のモダニズムの比較研究とともに「もの派」が国際的にも再評価され、李禹煥の50年に亘る多様な実践にも注目が高まっている。


宮島達男

1957年、東京生まれ。「それは変化し続ける」「それはあらゆるものと関係を結ぶ」「それは永遠に続く」というコンセプトに基づき、数字が変化するデジタルカウンターを使ったインスタレーションや立体作品を中心に制作を行う。1988年第43回ベネチア・ビエンナーレの若手作家部門「アペルト88」で《時の海》を展示し国際的な注目を集め、1997年ヘイワード・ギャラリー(ロンドン)での個展をはじめ世界各地で個展を開催する。1999年第48回ベネチア・ビエンナーレでは日本館代表に選ばれる。作品では時間という普遍的な概念を扱いつつも仏教的思想やテクノロジーという要素を融合させ、国際的評価を得ている。近年では北京UCCA、上海民生美術館などでも個展が開催されている。一方で、1996年には、長崎で被爆した柿の木を源とする苗木を世界各地に植樹する「時の蘇生・柿の木プロジェクト」を始動し、2017年からは、東日本大震災犠牲者の鎮魂と震災の記憶の継承を願い、《時の海―東北》を継続的に制作するなど、社会的な参加型プロジェクトにも力を入れている。

Photo Courtesy: Lisson Gallery

村上 隆

1962年、東京生まれ。日本の伝統絵画と現代美術の源流をアニメ・マンガの視覚論を通して再構想する「スーパーフラット」論を提唱。Miss Ko²とDOB君など、おたく文化を反映したキャラクターを多く生み出し、キッチュ性の高い彫刻作品と西洋の透視図を対極とする超二次元的な絵画を発表している。村上のサブカルチャーを基盤とする文化論は、高級/低俗のヒエラルキーを解体するだけでなく、戦後日本人の心理を批評的に描き出し、グローバル化が進むアート・シーンに日本固有の言説を確立した。また、ルイ・ヴィトンとのコラボレーションや、ストリートカルチャーと現代陶芸に着目した活動を通して、現代美術の垣根を超えた観客層を世界中で獲得し続けている。2005年に自身が企画した「スーパーフラット三部作」の最終章「リトルボーイ展」ジャパン・ソサエティ(ニューヨーク)は、全米批評家連盟によるベストキュレーション賞に輝いた。2007年から2009年には初の回顧展「©MURAKAMI」がロサンゼルス現代美術館を含む欧米4都市を巡回。2010年以降は、ヴェルサイユ宮殿、アルリワク展示場(ドーハ)、森美術館、ガラージ現代美術館(モスクワ)、大館(香港)など、世界中で個展を開催している。

Photo Courtesy: Museum of Fine Arts, Boston

奈良美智

1959年、青森県弘前市生まれ、栃木県在住。ドローイング、絵画、彫刻などを制作している。子供、動物、植物などが頻繁に登場する作品群は、親しみやすさと神聖さ、無邪気さと残酷さなど、一見相反する性格を共存させ、観るものの想像力を刺激する。日本の「かわいい」文化を体現するものと捉えられることもあるが、こうした不安定で力を持たない主人公たちは、辺境や境界で生きるものたち、権力構造を逃れる自由な精神の代弁者なのである。音楽への造詣の深さと愛、ポップカルチャーと現代美術の接続を行うようなジャンルを超えたスタイルでも知られる。1980年代後半に作家活動を開始し、1988年から2000年まではドイツを拠点に活動。日本に帰国した2000年には、シカゴ現代美術館やサンタモニカ美術館(現インスティテュート・オブ・コンテンポラリーアート・ロサンゼルス)で個展を開催するなど、欧米での評価を確実なものにする。2001年には国内初の大型個展が、横浜美術館を始め国内5都市を巡回し、2000年代には、韓国、中国、台湾のみならず、東南アジアでも注目が高まり、2015年には香港のアジア・ソサエティで個展を開催。2020年にはロサンゼルス・カウンティ美術館での大規模な個展、ダラス現代美術館での個展が予定されるなど、近年益々評価が高まっている。


杉本博司

1948年、東京生まれ。1970年に渡米しロサンゼルスで写真を学んだ後、1974年にはニューヨークに移住。現実と虚像の間を往来する「ジオラマ」、「ポートレート」、映画一本分の長時間露光による「劇場」、世界各地の水平線を撮影した「海景」など、初期から一貫して明確なコンセプトに基づいた写真作品を制作。1977年、初めてのパブリックコレクションとして「ジオラマ」シリーズから《シロクマ》(1976年)がニューヨーク近代美術館に収蔵される。その後、1995年から始まったメトロポリタン美術館(ニューヨーク)の個展が米国内及びハラ ミュージアム アーク(群馬)に巡回し、大きな注目を浴びる。2005年、森美術館での個展「杉本博司:時間の終わり」は米国3都市に巡回。固有のコンセプトと哲学、美学を兼ね備えた写真作品が美術館と市場の双方で確固たる立ち位置を確立する。その後、彼の壮大な世界観や歴史観は写真メディア、さらには現代美術に限定されることなく、近年の表現は建築、伝統美術、古典芸能など幅広い芸術領域を横断している。なかでも2017年開館の小田原文化財団 江之浦測候所は、構想から20年をかけたもので、その世界観が凝縮された壮大なプロジェクトは世界から注目が高まっている。

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