展覧会

塩田千春展:魂がふるえる

2019.6.20(木)~ 10.27(日)

《どこへ向かって》

舟は塩田千春の作品に頻繁に使われるモチーフのひとつです。大海に浮かぶ小舟のように、それは先の見えない未来や人生などを連想させます。高さ11メートルの天井から吊られた約100艘の舟は、美術館の入口で観客を出迎え、展覧会という旅へと誘います。

塩田千春《どこへ向かって》
塩田千春
《どこへ向かって》
2017年
白毛糸、ワイヤー、ロープ
展示風景:「どこへ向かって」ル・ボン・マルシェ(パリ)2017年
撮影:Gabriel de la Chapelle
塩田千春《どこへ向かって》
塩田千春
《どこへ向かって》
2017年
白毛糸、ワイヤー、ロープ
展示風景:「どこへ向かって」ル・ボン・マルシェ(パリ)2017年
撮影:Gabriel de la Chapelle

《不確かな旅》

会場に入って最初のインスタレーションは、真っ赤な糸で覆われた空間に、フレームだけの舟が配された作品です。2015年のベネチア・ビエンナーレ日本館での展示では、古いベネチアの伝統的な舟の上部に、夥しい数の鍵が吊られていましたが、《不確かな旅》では舟はより抽象化され、赤い糸で埋め尽くされた空間は、不確かな旅の先にある多くの出会いを示唆しているかのようです。

塩田千春《不確かな旅》
塩田千春
《不確かな旅》
2016年
鉄枠、赤毛糸
展示風景:「不確かな旅」ブレイン|サザン(ベルリン)2016年
撮影:Christian Glaeser
塩田千春《不確かな旅》
塩田千春
《不確かな旅》
2016年
鉄枠、赤毛糸
展示風景:「不確かな旅」ブレイン|サザン(ベルリン)2016年
撮影:Christian Glaeser

《静けさの中で》

幼少期に隣家が夜中に火事で燃えた記憶から制作されたインスタレーション。燃えたグランドピアノと観客用の椅子が、黒い糸で空間ごと埋め尽くされる作品です。音の出ないピアノは沈黙を象徴しながらも、視覚的な音楽を奏でます。

塩田千春《静けさの中で》
塩田千春
《静けさの中で》
2008年
焼けたピアノ、焼けた椅子、黒毛糸
展示風景:「存在様態」パスクアートセンター(スイス、ビール/ビエンヌ)2008年
撮影:Sunhi Mang
塩田千春《静けさの中で》
塩田千春
《静けさの中で》
2008年
焼けたピアノ、焼けた椅子、黒毛糸
展示風景:「存在様態」パスクアートセンター(スイス、ビール/ビエンヌ)2008年
撮影:Sunhi Mang

《時空の反射》

身体を覆う皮膚のように、ドレスは自身の内部と外部の境界を象徴します。そのドレスが黒い糸で埋め尽くされた空間に浮かぶことで、不在の存在を感じさせます。また、鉄枠に囲まれた空間を半分に仕切る鏡の両側にドレスが吊られていることで、虚像として鏡に映るドレスと反対側の空間に実際に在るドレスが、観る者の意識のなかで混在します。

塩田千春《時空の反射》
塩田千春
《時空の反射》
2018年
白いドレス、鏡、鉄枠
所蔵:アルカンターラ
展示風景:「時間を巡る9つの旅」パラッツォ・レアーレ(ミラノ)2018年
撮影:Sunhi Mang
塩田千春《時空の反射》
塩田千春
《時空の反射》
2018年
白いドレス、鏡、鉄枠
所蔵:アルカンターラ
展示風景:「時間を巡る9つの旅」パラッツォ・レアーレ(ミラノ)2018年
撮影:Sunhi Mang

《内と外》

1996年にドイツに移住し、現在はベルリンを拠点とする塩田千春は、ベルリンの壁が崩壊してから15年目の2004年頃から、窓を使った作品を制作し始めました。当時ベルリンでは再開発が進み、多くの建物が取り壊されてゆくなか、塩田は廃棄された窓枠を集めて歩きました。窓はプライベートな空間の内と外の境界として存在しますが、東西ドイツを分断した壁も連想させます。本展で展示する《内と外》は2009年から制作され、いくつかのバージョンがありますが、今回は約250から300枚の窓枠が使われた作品を展示します。

塩田千春《内と外》
塩田千春
《内と外》
2009年
古い木製の窓、椅子
展示風景:ホフマン・コレクション(ベルリン)2009年
撮影:Sunhi Mang
塩田千春《内と外》
塩田千春
《内と外》
2009年
古い木製の窓、椅子
展示風景:ホフマン・コレクション(ベルリン)2009年
撮影:Sunhi Mang

《集積―目的地を求めて》

展覧会の最後を飾るインスタレーション《集積―目的地を求めて》は、約400個のスーツケースが振動し続ける作品です。塩田がベルリンで見つけたスーツケースの中に、過去の新聞を発見したことが制作のきっかけとなっています。あらゆる物はそれぞれの記憶を内包していますが、ここではスーツケースが見知らぬ人の記憶、移動や移住、あるいは難民として定住先を求める旅など、人々の人生の旅路そのものを示唆しているようでもあります。

塩田千春《集積―目的地を求めて》
塩田千春
《集積―目的地を求めて》
2016年
スーツケース、モーター、赤ロープ
展示風景:「アート・アンリミテッド」アートバーゼル(スイス)2016年
Courtesy: Galerie Templon
撮影:Atelier Chiharu Shiota
塩田千春《集積―目的地を求めて》
塩田千春
《集積―目的地を求めて》
2016年
スーツケース、モーター、赤ロープ
展示風景:「アート・アンリミテッド」アートバーゼル(スイス)2016年
Courtesy: Galerie Templon
撮影:Atelier Chiharu Shiota
チケット・開館時間
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