戦後の高度成長期、日本では国家規模のイベントが続き、国際化が推進されましたが、今日再びそのような気運が高まっています。その間、現代美術の世界でも、脱植民地主義、多文化主義などさまざまな議論が重ねられ、ビエンナーレやアートフェアなど新たな場が拡がりました。なかでも近年のアジア経済の台頭は目覚ましく、この地域に新しい美術館や市場を生み出しています。
本展では、この間に日本という枠を越えて広く国際的に活躍し、今日、多様な地域や世代から高い評価を得るアーティスト6名を選び、その軌跡を初期作品と最新作を中心に紹介します。彼らの実践は世界からいかに評価されてきたのか。国境や文化を越えた普遍的な課題の追求、伝統や美学、テクノロジーやサブカルチャーなど、日本固有の社会的、文化的、経済的背景をふまえて探ります。
また、1950年代から今日まで、海外で開催された主要な日本現代美術展に関する資料も展示し、それぞれの時代の評価軸や系譜を検証します。
出展アーティスト ※姓のアルファベット順
草間彌生
李禹煥(リ・ウファン)
宮島達男
村上 隆
奈良美智
杉本博司

《ピンクボート》
1992年
詰め物入り縫製布、ボート、オール
90×350×180 cm
所蔵:名古屋市美術館

《関係項》
1969/1982年
鉄板、ガラス、石
180×220×40 cm

《Sea of Time '98》
1998年
展示風景:「家プロジェクト『角屋』」ベネッセアートサイト直島(香川)1998年
撮影:上野則宏

《Ko²ちゃん》
1996-2011年
合成樹脂、ラッカー塗料、グラスファイバー、鉄、コーリアン(台座)
181×61×102.5 cm

《Voyage of the Moon (Resting Moon) / Voyage of the Moon》
2006年
ミクスト・メディア
476×354×495 cm
制作協力:graf
所蔵:金沢21世紀美術館
撮影:中道 淳/ナカサアンドパートナーズ

《シロクマ》
1976年
ゼラチン・シルバー・プリント
42.3×54.6 cm
開催概要
STARS展:現代美術のスターたち―日本から世界へ
主催 | 森美術館 |
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企画 | 片岡真実(森美術館副館長兼チーフ・キュレーター) 近藤健一(森美術館キュレーター) 椿 玲子(森美術館キュレーター) 德山拓一(森美術館アソシエイト・キュレーター) 熊倉晴子(森美術館アシスタント・キュレーター) 矢作 学(森美術館アシスタント・キュレーター) |